2017.3.9 建物の話

甚大な被害に備えて
「人の命・インフラ・生活」を守る都市へ

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現在、東日本大震災が契機となり、さまざまな都市再生の手法や防災都市造りが考えだされています。

その中で、特に実現へと研究が進んでいる二つの手法「アーバンスケルトン」と「ゼリー免震」をご紹介します。
ビル群と若葉

アーバンスケルトン方式

新都市ハウジング協会では、国土交通政策研究所や国土交通省からの受託を受け、立体基盤(人工地盤+スケルトン)と2次構造物(インフィルや人工地盤上建物)から構成され、それぞれを分離して都市再生する「アーバンスケルトン方式」の研究が進められています。

いままで都市再開発は、地権者の合意を得る間の長い年月を要したり、増改築・用途転換を想定していないため、投資が固定して時代の変化に対応できなかった、といった課題がありました。

しかしこの「アーバンスケルトン方式」は、これらの問題点を解決に導く革新的な都市再生構想で、立体基盤と2次構造物が分離されることで、それぞれへの投資と経営が分離され、時代変化にも柔軟に対応できるようになると期待されています。

これは建物の柱・梁・床等の構造躯体(スケルトン)と住戸内の内装・設備等(インフィル)とを分離した工法による共同住宅で、スケルトン(骨組み)を長期間維持したまま、居住者のライフスタイルに合わせて内装・設備等を変更・更新できるようになっているSI(スケルトン・インフィル) 住宅をもとに都市レベルにまで拡大と応用した技術といえます。

つまり立体基盤(人工地盤+スケルトン)の上に住宅や構造物を段階的に建てる。立体基盤と2次建築物群の建設主体、建築・更新時期、所有者・管理者を分離できるので、時代の情勢変化に応じて都市空間を柔軟に利用することが可能となります。

また人工地盤のスケルトン部分を免震とすることで、その上に作られる街ごと免震構造とすることも可能となります。

ゼリー免震

次に人工地盤とは発想を異にする街ごと免震「ゼリー免震」の新技術を紹介します。

大手建設の大林組が発表したこの手法は、街区を丸ごと地震に強い構造に変えるという新しい考え方です。街を深い水路で囲み「ゼリー免震化」するだけで、巨大地震が起きても安全を確保することができるとしています。

さらにその水路を延長させ、近郊のゼリー免震都市とネットワークすることで、被災時においても通常時と同様の生活が可能となるとのこと。その理由は、水のネットワークによる物資輸送、避難経路としても利用が可能となり、防災拠点として機能すると考えられているからだといいます。

具体的な技術は、500m四方の敷地の外周に、深さ100mの切込みを入れます。そしてその切り込み部分に水を満たし、水圧によって周囲の土圧と均衡させます。さらに外周と隔離することで、都市が上に乗る巨大なゼリーのような地盤が生まれます。

この新技術は、コスト面でみても魅力的とのこと。別々に建物を免震化するのと比べ、費用は半分で済むといいます。あの阪神大震災級の地震でも、揺れを3分の1~4分の1に減らせると発表しています。

都会のビル群と空

このように、今この瞬間にも新たな都市再生の手法や防災都市の実現へと進んでいます。

これから起こりうる事態に向けて、人の命はもちろん、インフラを守り、人々の生活を守る都市実現に大きな期待がかかります。

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